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(済)2023/1/21開催 第21回歴史文化をめぐる地域連携協議会 (1/6up)

自治体史編さんの現在-参加と活用の新しい取り組み-

(この協議会は,本科研は共催にて実施します)

私たちが地域の歴史を知ろうとするとき、その手がかりのひとつとなるのが、自治体が主体となって編さんした自治体史です。
自治体史の編さんにあたっては、地域に所在する資料を中心とした大がかりな調査が行われます。また、叙述に際しても長期間にわたって様々な議論を重ねます。このため、発刊に至るまでには膨大な時間と費用を必要とします。
しかしながら、完成した自治体史やその活用については、これまで多くの課題も指摘されてきました。例えば、専門的な内容や、ときには十数巻に及ぶ膨大な分量が、一般市民にとっては難しい、といった指摘や、刊行後の周知や活用が不十分で、そもそも地域住民の手に取られることが少ない、といった指摘などです。自治体史そのものが抱える課題だけでなく、編さん時に調査した資料に関する問題もあります。地域住民の目に触れる機会がないまま調査が行われる、調査のため借用した資料が返却されない、あるいは返却後のフォローが不十分だったために、資料が散逸してしまったという事例などです。
上のような課題を克服するため、この間、全国各地で、様々な工夫をこらした自治体史編さんが進められてきました。兵庫県内でも、刊行された自治体史をベースに図版や写真を多用した『図説 尼崎の歴史』や、地域住民が執筆者となった『香寺町史』などの事例が挙げられます。また、現在編さん事業が進んでいる三木市や明石市、丹波篠山市では、専門家だけでなく、地域住民が資料調査や本文の執筆に参加する取り組みが行われています。こうした動きに加えて、近年では自治体史をデジタル化し、ウェブ上で広く公開しているところもあります。多くの課題を抱えながらも、自治体史の編さんと活用は、今まさに曲がり角にきているといえるでしょう。
こうした状況を踏まえつつ、今年度の協議会では、「自治体史編さんの現在―参加と活用の新しい取り組み―」をテーマとしました。この間、自治体史の活用について、先進的な取り組みを続けている尼崎市をはじめ、地域住民と協働して編さん事業を進めている三木市と丹波篠山市、そして自治体史編さん後の資料活用に取り組む大阪府茨木市の事例を取り上げ、それぞれが抱える課題や今後の展望について、議論を深めていきたいと思います。

日時:2023年1月21日(土)13:00~17:00
会場:神戸大学瀧川記念学術交流会館 (対面開催)
申込:フォームより申し込みください (1/18まで)
詳細:趣旨次第 もしくは 本センターウェブ
告知:PDF

主催:神戸大学大学院人文学研究科 神戸大学大学院人文学研究科地域連携センター
共催:兵庫県教育委員会、
科学研究費特別推進研究「地域歴史資料学を機軸とした災害列島における地域存続のための地域歴史文化の創成」
研究グループ(研究代表者・奥村弘)、
大学共同利用機関法人人間文化研究機構「歴史文化資料保全の大学・共同利用機関ネットワーク事業」