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(済)2023/9/3開催 シンポジウム「そうまの歴史を守る・つたえる」2023(7/26up)

シンポジウム「そうまの歴史を守る・つたえる」2023

主催 そうま歴史資料保存ネットワーク
共催 本科研

【開催趣旨】
自然災害が列島を襲い、人々の生活をおびやかす事態が続いています。人々の暮らしと地域社会
の再建、災害に立ち向かうための防災対策が社会的な課題となり人々の関心を集めるのは当然のこ
とです。一方で、災害によって破壊されるのは自然の景観や町並みだけではありません。長い歴史
の中で営まれてきた人々の暮らし、その風土に根付き育まれてきた文化遺産も一瞬にして失われて
しまう側面も忘れることはできません。
1995 年の阪神・淡路大震災を機に、地域の歴史・文化遺産を保全しようと全国各地に資料(史
料)ネットが生まれました。大学・博物館などの研究者・学芸員、行政の文化財担当者、学生、市
民ボランティアが緩やかに連携し、情報を交換するネットワークが構築されています。貴重な歴史
資料を保全し、調査・研究を経て、市民に伝えていくことを目的に各地で活動が展開されています。
福島県相馬市は12 年前、東日本大震災と原発事故により大きな被害をこうむりました。地域の
再建に市民が取り組む中で、2019 年の台風19 号による洪水、さらには2021 年、2022 年の福島県
沖地震と大規模災害が続きました。その結果、家屋の解体が緊急の課題となり、長い歴史と伝統に
支えられた市内の町並みはすっかり様変わりしてしまいました。同時に家屋の解体によって、大切
に保存されてきた文化財も廃棄・散逸の危機にさらされることになりました。
このような惨状を目の当たりにし、私たちは「そうま歴史資料保存ネットワーク」を2022 年9
月に結成し、活動を開始しました。市民により組織・運営され、活動を行う資料ネットとして全国
初のものです。
私たち「そうま歴史資料保存ネットワーク」は、福島県内の「ふくしま歴史資料保存ネットワー
ク」、隣県の「宮城歴史資料保全ネットワーク」の指導、支援を受けながら、解体家屋からの歴史資
料の保全、記録、整理活動を展開してきました。
活動開始から1年間の成果を広く市民の皆さんと共有し、地域の課題解決に向かっていきたいと
考えます。さらに全国のネットワークを通じて広く発信をすることで、今後の活動への助言を受け
ることができると考えました。
この度、情報発信の機会として「そうまの歴史を守る・つたえる」をテーマとしたシンポジウム
を企画しました。相馬市民の皆さんをはじめ、文化財保全に心を寄せる皆さんの参加をいただき、
今後の活動へのご支援、ご助言を賜れば幸いです。
そうま歴史資料保存ネットワーク 代表 鈴木龍郎